2. ターゲットエージェント

この章ではMaxGaugeエージェントセットの動作仕様およびターゲットエージェントで使われる主なファイルの用途を説明します。

2.1. MaxGaugeエージェントセットとは?

ターゲットエージェント内で実行されるRTS・OBSD・SNDFを、MaxGaugeエージェントセットと呼びます。

2.2. RTS (Real Time Server)

  • 概要

    RTSは、性能データ収集および通信を担当するエージェントです。

  • RTS実行フロー

    RTSの実行フローは、次のとおりです。

    ../_images/mfo_targetagent1.png
  • F1. Data Collection

    SGA memoryおよびOS Kernelから、性能データを収集します。

    RTSのデータ収集方式

    Data Source 収集方式
    SGA SGA Direct Access方式
    OS Kernel Kernel API

    RTSが収集するデータは、4種類に区分されます。

    • システムレベルの性能データ
    • セッションおよびプロセス レベルの性能データ
    • SQLレベルの性能データ
    • Alertデータ

    データごとの詳細内容および収集間隔は、次のとおりです。

    区分 データ・タイプ モニタリング間隔 データ収集間隔 説明
    システムレベル Oracleが提供するすべてのStatisticsおよびWait Event 最小1秒 1分 収集間隔変更不可
    OSの主な性能指標(CPU,Memoryなど) 最小1秒 1分 収集間隔変更不可
    セッションおよびプロセスレベル Active Session詳細情報 最小1秒 1秒 収集間隔変更可能
    (1秒~ n秒)
    デフォルト値 : 1秒
    Lock Tree詳細情報 最小1秒 1秒 収集間隔変更可能
    (1秒~ n秒)
    デフォルト値 : 1秒
    PQ Session詳細情報 最小1秒 1秒 Active Session収集間隔と同一に設定されます。
    Remote Session詳細情報 最小1秒 n/a
    Top Process詳細情報 最小3秒 1分 収集間隔変更不可
    SQLレベル SQL性能統計 最小1秒 0.05秒 収集間隔変更可能(秒当たり100回polling可能、0.01秒~)
    デフォルト値 : 秒当たり20回
    Alert Oracle Alert 発生時 発生時
    Oracle StatisticsおよびWait Event 発生時 発生時
    Tablespace,Disk Usageなど 発生時 発生時

    注釈

    Alert設定に対する詳細説明は、”Configuration Manual”を参照してください。

  • F2. PlatformJS Interface
    1. PlatformJSは、指定されたrefresh間隔によりRTSのlistening port (デフォルト値 : 5080)を使用して、性能データを要求します。
    2. RTSは要求を受けた性能データを送信します。

    注釈

    PlatformJSのrefresh間隔デフォルト値は3秒であり、RTMのConfiguration画面を利用して変更することができます。 詳細内容は、”Configuration Manual”を参照してください。

  • F3. DG Interface

    RTSは、指定されたrefresh間隔によりSlave DG Port (デフォルト値 : 7001)を使用して、性能データを送信します。

    注釈

    RTSのrefresh間隔デフォルト値は1秒であり、common.confファイルを利用して変更することができます。 詳細説明は、” common.confファイル”セクションを参照してください。

  • F4. Temp Fileに記録

    Data Gatherの障害によってDGへの性能データ送信が失敗する場合、データ欠損を防止するために収集データをtemp fileに記録します。

    注釈

    Temp fileに対する管理およびDGへの送信は、SNDFが担当します。

2.3. OBSD (Observer Daemon)

  • 概要

    OBSDは、RTSおよびSNDFを監視するエージェントです。

  • F1. RTSとSNDFの監視

    ../_images/mfo_obsd.png
  • OBSDの監視項目

    OBSDは、指定された間隔ごとに以下の項目を監視します。

    監視項目 間隔 説明
    RTSおよびSNDFの異常終了 10秒 RTSおよびSNDFが異常終了している場合に、再起動します。
    RTSおよびSNDFのCPU使用率(%) 10秒 指定された閾値を連続して3回超過する場合に、再起動します。
    RTSおよびSNDFのメモリサイズ 10秒 同上
    RTSおよびSNDF hang 10秒 3分の間hang状態が継続された場合、再起動します。

    注釈

    OBSDの監視項目設定に対する詳細は、”common.confファイル”セクションを参照してください。

2.4. SNDF (Send File)

  • 概要
    RTSはDataGatherの障害によってDGへの性能データの送信に失敗する場合、
    データ欠損を防止するために、Temp File(一時ファイル)に性能データを記録します。
    SNDFは、RTSが記録したTemp Fileを管理して、Temp FileをDGへデータを送信する機能を代行します。
  • SNDF実行フロー

    SNDFの実行フローは次のとおりです。

    ../_images/mfo_sndf1.png
  • F1. Temp File送信

    Temp File送信のためのSNDFの動作方式は、次のとおりです。

    1. RTSおよびSNDFは、DataGather(DG)の動作が正常かどうかを、5秒ごとにチェックします。
    2. DGが正常の場合、RTSはTemp File名の最後の文字を”_”に変更します。
    3. SNDFは、Temp File名の最後の文字が”_”のファイルの内容を送信します。
    4. SNDFは送信完了後、Temp File名の最初の文字を”_”に変更します。
    5. SNDFは、DGからの受信完了を受信後に最初の文字が”_”のTemp Fileを削除します。
    6. DGからの受信完了を受信出来なかった場合には、最大3回リトライし、その後該当ファイルを削除します。
  • F2. Temp File管理
    DGの障害が長期化した場合、RTSが記録するTemp Fileの大きさが持続的に増加する問題が発生します。
    そのため、SNDFは次のような方式でTemp Fileを管理します。
    1. 指定された間隔によりディレクトリ内のファイル・サイズをチェックします。
    2. 指定された大きさを超過した場合、最も古いTemp Fileを削除します。

    注釈

    SNDFの動作方式に対する詳細内容は、”sndf.confファイル”セクションを参照してください。

2.5. MaxGaugeエージェントセットの操作

Unix/Linuxサーバを使用している場合には、RTSCTLユーティリティを利用してMaxGauge Agent Setを制御します。
Windowsサーバを使用している場合には、サービスマネージャを利用します。

2.5.1. Unix/Linuxサーバ

RTSCTLユーティリティには、OS command lineを用いるNon Interactive Mode方式と
RTSCTLユーティリティ内で使うInteractive Mode方式があります。
RTSCTLユーティリティの使用法は、次のとおりです。
Non Interactive Mode Usage :
$ rtsctl <start | stop | status | restart > {config_name}
$ rtsctl version
Interactive Mode Usage :
$ rtsctl
RTSCTL> < start | stop | status | restart > {config_name}
RTCCTL> <version | quit | exit >
Operation 説明
start MaxGauge Agent Set開始
stop MaxGauge Agent Set終了
status (stat) MaxGauge Agent Set状態取得
restart MaxGauge Agent Set再起動
version (ver) MaxGauge Agent Setバージョン出力
quit (q) | exit | (e) RTSCTL Exit (Interactive Mode only)
  • START Operation例

    ORCLデータベースにセットアップされたMaxGauge Agent Setを始める方法は次のとおりです。

    Non Interactive Mode
    $ rtsctl start {ORCL}
    Interactive Mode
    $ rtcstl
    RTSCTL> start {ORCL}
    

    実行結果

    RTS process for ORCL is started.
    SNDF process for ORCL is started.
    OBSD process for ORCL is started.
    
  • STOP Operation例

    ORCLデータベースにセットアップされたMaxGauge Agent Setを終了する方法は次のとおりです。

    Interactive Mode
    $ rtsctl stop {ORCL}
    Interactive Mode
    $ rtcstl
    RTSCTL> stop {ORCL}
    

    実行結果

    SNDF process {PID} for ORCL is shutdown.
    RTS process {PID} for ORCL is shutdown.
    OBSD process {PID} for ORCL is shutdown.
    
  • STATUS Operation例

    ORCLデータベースにセットアップされたMaxGauge Agent Setの状態を把握する方法は次のとおりです。

    Interactive Mode
    $ rtsctl status {ORCL}
    Interactive Mode
    $ rtcstl
    RTSCTL> status {ORCL}
    

    実行結果

    RTS for ORCL  :  name = mxg_rts  :  pid = xxxxx  :  status = RUNNING
    OBSD for ORCL  :  name = mxg_obsd  :  pid = xxxxx  :  status = RUNNING
    SNDF for ORCL  :  name = mxg_sndf  :  pid = xxxxx  :  status = RUNNING
    

2.5.2. Windowsサーバ

Windowsサーバでは、MaxGaugeエージェントセットはWindowsサービスに登録して管理します。
MaxGaugeエージェントセットのサービス名は次のとおりです。
  • MaxGauge SNDF {config_name}
  • MaxGauge RTS {config_name}
  • MaxGauge OBSD {config_name}

注釈

WindowサーバでMaxGaugeエージェントセットをWindowsサービスに登録する方法は、”インストールガイド”を参照してください。

2.6. ディレクトリ構成およびファイル説明

  • Directory構造

    MaxGauge サーバモジュールセットアップ後、作成されるディレクトリ構造は次のとおりです。

    ../_images/mfo_dirfile1.png
    ディレクトリ名 説明
    $MXG_HOME MaxGauge サーバモジュールbaseディレクトリ
    $MXG_HOME/bin MaxGaugeagentファイル、RTSCTL、ライセンス ファイル保存ディレクトリ
    $MXG_HOME/conf/{config_name} MaxGaugeagent起動のためのconfigurationファイルおよびその他ファイル保存ディレクトリ
    $MXG_HOME/conf/{config_name}/sample Configuration sampleファイル保存ディレクトリ
    $MXG_HOME/conf/{config_name}/script RTMのInvalid Objects Tool機能のために必要なスクリプト保存ディレクトリ
    $MXG_HOME/install MaxGauge サーバモジュールセットアップのためのファイル保存ディレクトリ
    $MXG_HOME/log/{config_name}/SND Data Gather障害時、一時ファイル保存ディレクトリ
    $MXG_HOME/log/maxgauge MaxGauge Agent Set実行および例外事項に対するLog保存ディレクトリ
    $MXG_HOME/util/db_setup MaxGauge セットアップ時使われるスクリプト保存ディレクトリ

2.6.1. Directory別の主なFile説明

  • $MXG_HOMEディレクトリ
    ファイル名 説明
    .mxgrc MXG_HOME環境変数およびPATHの設定
  • $MXG_HOME/binディレクトリ
    ファイル名 説明
    mxg_rts RTSエージェント
    詳細内容は、”RTS (Real Time Server)”セクションを参照してください。
    mxg_obsd OBSDエージェント
    詳細内容は、”OBSD (Observer Daemon)”セクションを参照してください。
    mxg_sndf SNDFエージェント
    詳細内容は、”SNDF (Send File)”セクションを参照してください。
    rtsctl MaxGauge Agent Set Controlユーティリティ
    詳細内容は、”MaxGaugeエージェントセットの操作”セクションを参照してください。
    license key MaxGauge licenseは、正式licenseとtrial licenseに区分されます。 Trial licenseは使用期間が制限され、提供される機能は正式licenseと同一です。

    Trial License Naming Rule : license.TRIAL_yyyymmdd.4.key (yyyymmddは完了日時、4はMaxGauge 4.0以上で有効だということを意味します)

    正式License Naming Rule : license.{company_name}_{db_name}.{host ID}.{number of core}.4.key

    注釈

    正式licenseの場合、RTSはlicenseキーに登録されたhostidとcore数でkey validの有無をチェックします。 契約したcore数以上の増設作業がある場合にはRTSが動作しませんので、新規license key発行が必要です。

  • $MXG_HOME/conf/{config_name}ディレクトリ
    ファイル名 説明
    common.conf MaxGauge Agent Setが、共通で使うパラメータファイルです。
    詳細内容は、”common.confファイル”セクションを参照してください。
    rts.conf RTS動作方式設定のためのパラメータファイルです。
    詳細内容は、”rts.confファイル”セクションを参照してください。
    ndf.conf SNDF動作方式設定のためのパラメータファイルです。
    詳細内容は、”sndf.confファイル”セクションを参照してください。
    list.conf RTSおよびDGが収集する性能指標に対するmetaデータを保存します。

    ●[STAT] Section : STAT name, Class#
    ●[EVENT] Section : EVENT name, P1 パラメータ, P2 パラメータ, P3 パラメータ
    ●[LATCH] Section : Latch name
    ●[SGASTAT] Section : V$SQLSTATビューのpool,name
    rts.status RTSの実行状態を記録します。

    ●正常実行 : status=RUNNING
    ●正常終了 : status=TERMINATED

    status=RUNNINGでRTSがdown状態の場合、異常終了と判断し、OBSDがRTSを再起動させます。
    rts.act RTSが一定間隔(毎10秒)で該当ファイルをupdateします。
    該当ファイルが3分間updateされない場合、RTS hangと判断し、OBSDがRTSを再起動させます。
    sndf.status SNDFの実行状態を記録します。

    ●正常実行 : status=RUNNING
    ●正常終了 : status=TERMINATED

    status=RUNNINGでSNDFがdown状態の場合、異常終了と判断し、OBSDがSNDFを再起動させます。
    sndf.act SNDFが一定間隔(毎10秒)で該当ファイルをupdateします。
    該当ファイルが3分間updateされない場合、SNDF hangと判断し、OBSDがSNDFを再起動させます。
  • $MXG_HOME/conf/{config_name}/scriptディレクトリ
    ファイル名 説明
    inval_obj.sql RTMのInvalid Objects Tools使用のための事前実行スクリプト
    inval_obj.sh RTMのInvalid Objects Tools使用のためにrts.confファイルに登録しなければならないスクリプト

    注釈

    rts.confファイルにuser scriptを登録する方法は、”rts.confファイル”を参照してください。

  • $MXG_HOME/installディレクトリ
    ファイル名 説明
    install.sh MaxGauge サーバモジュールセットアップ用スクリプト
  • $MXG_HOME/log/{config_name}/SNDディレクトリ
    ファイル名 説明
    CPKT_* Data Gather障害時、RTSが性能データ(Stat,Sessionなど)を保存する一時ファイルです。

    ●CPKT_* : RTSが記録中のファイル
    ●CPKT_*_ : 送信ソースファイル(記録完了)
    ●_PKT_*_ : 送信完了、削除ソースファイル(DGからの受信完了を受信出来なかった場合、該当ファイルを最大3回再通信後削除)
    SQLS_* Data Gather障害時、RTSがSQL性能情報を保存する一時ファイルです。 動作原理はCPKT_* と同一です。
  • $MXG_HOME/log/maxgaugeディレクトリ
    ファイル名 説明
    {config_name}_rts.log RTSの実行および例外状況を記録します。
    {config_name}_sndf.log SNDFの実行および例外状況を記録します。
    {config_name}_obsd[YYMMDD].log OBSDの実行および例外状況を記録します。
  • $MXG_HOME/util/db_setupディレクトリ
    ファイル名 説明
    run_by_sys.sql MaxGauge サーバモジュールセットアップ時、install.sh内で呼び出しされるスクリプトです。
    オラクルユーザ作成、権限付与およびX$ fixed tableに対するXM$ ビューを作成します。
    expkg.plb RTM Script Manger内で提供されるスクリプト実行のために使われるパッケージです。

    注釈

    run_by_sql.sql実行後にはSYSスキーマ所有のXM$_* viewが作成されます。 Oracleメジャーバージョンのアップグレード時に構造が変更されるX$ fixed tableが存在する場合、 該当tableに対して作成されたXM$ viewはINVALID状態になり、drop view命令語でdropできなくなります。 INVALID状態であるXM$ viewが存在してもDB運営上には全く問題はありません。 しかしINVALID objectがDB内に存在するのは望ましくありませんので、メジャーバージョンのアップグレード前に必ずXM$ viewのdropの実施と、 アップグレード後にrun_sys_sys.sqlを再実行することを強く推奨します。

2.7. MaxGaugeエージェントセットの設定ファイル

2.7.1. common.confファイル

MaxGauge Agent Set共通で使うパラメータファイルです。

  • ipc_key
    項目 説明
    Syntax ipc_key=oracle shared memory key
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value None
    ipc_key=cf309934
    RTSがSGA memoryをattachする際に、利用されます。
  • pmon_name
    項目 説明
    Syntax pmon_name=pmon name
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value None
    pmon_name=ora_pmon_orcl

    DB downの有無をチェックするために使用されます。またOracle 11g tmpfs (linux only)を使う場合に、 /dev/shmディレクトリに位置したファイルのうち該当instanceに属したファイルをチェックするために使用されます。 例えばtmpfsを使用してpmon_name=ora_pmon_orclの場合、/dev/shmディレクトリにはora_orcl_{number}_{seq#}ファイルが存在します。

  • cpu100
    項目 説明
    Syntax cpu100=integer
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value 0
    Option Range 0,1,2,4,8,16およびoption valueを加えた値
    一つ以上のoption valueを適用するには、option valueを加えた値を設定します。
    例 option value 1と2を同時に適用するには、cpu100=3に設定します。
    使用目的 Process別CPU使用率(%)計算方式を変更する場合
    OS Level全体CPU使用率(%)でI/O waitを含むかどうかの選択
    Memory Free値をActive Memory Free値で代用する場合(Linux only)
    Shared-SMT環境で全体CPU使用率(%)計算方式を変更する場合(AIX only)
    Shared-SMT環境でProcess別CPU使用率(%)計算方式を変更する場合(AIX Only)
    Option value=0 Process別CPU使用率(%) = API return value* CORE個数
    API return valueは、全体を100%として該当プロセスが使った比率を提供します。 例えば10 CORE環境で1個のプロセスが1個のCOREを独占(100%使用)して使うならば、API return valueは10です。
    cpu100=0場合、該当プロセスのCPU使用率(%)=100
    cpu100=1場合、該当プロセスのCPU使用率(%)=10
    Option value=1 Process別CPU使用率(%) = API return value
    Option value=2 OS CPU使用率(%) = User CPU(%) + Sys CPU(%)
    I/O Wait(%)を含みません。
    Option value=4 Linux Only
    Memory Free = /proc/meminfo内のMemFree + Active + Inactive
    オプション非適用時には、Memory Free = /proc/meminfo内のMemFree
    Option value=8 AIX Only
    Shared SMT環境で全体CPU使用率(%)がnmon toolの値と違った場合、適用
    Option value=16 AIX Only
    Shared SMT環境で個別プロセスCPU使用率(%)がnmon toolの値と違った場合、適用

    注釈

    Shared SMTの有無は$lparstat?iで確認することができます。 実行結果、type値が”shared”であるならShared SMT環境です。 OBSDはcpu100設定と関係がなく”API return value* CORE個数”値でRTSおよびSNDFのCPU使用率をチェックします。

  • interconnect_nic
    項目 説明
    Syntax interconnect_nic = network card name
    登録区分 手動登録
    Default value None
    interconnect_nic = eth0

    RAC環境でinterconnectのpacket in/out (通信量、通信回数、エラー発生回数)情報を提供するために使用されます。 該当情報はRTMのみで利用し、提供されるstat名は次のとおりです。

    • interconnect packet in
    • interconnect packet out
    • interconnect packet bytes in
    • interconnect packet bytes out
    • interconnect packet errors in
    • interconnect packet errors out

    注釈

    O/S commandを利用してinterconnect用network card nameを確認することは容易ではありません。 該当情報はDBAに問い合わせてください。

  • obs1
    項目 説明
    Syntax obs1 = 1
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default Value 1 (only)
  • obs1_cmd
    項目 説明
    Syntax obs1_cmd=rtsctl start {config_name} RTS
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value None
    rtsctl start ORCL RTS

    OBSDがRTSを再開始させる時に使用するcommandを登録します。

  • obs1_keyword
    項目 説明
    Syntax obs1_keyword=mxg_rts
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value mxg_rts (only)

    OBSDがRTSのPIDを確認するための情報の中の一つです。

  • obs1_keyword2
    項目 説明
    Syntax obs1_keyword2={config_name}
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value None
    obs1_keyword2=ORCL

    OBSDがRTSのPIDを確認するための情報の中の一つです。

    注釈

    OBSDはRTSのPIDを確認するためにobs1_keywordとobs1_keyword2の情報を利用します。 PID確認後、該当PIDを利用してRTSを監視します。

  • obs1_cpu_limit
    項目 説明
    Syntax obs1_cpu_limit=integer value
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value 80

    RTSのCPU使用率(%)の閾値を設定します。

  • obs1_mem_limit
    項目 説明
    Syntax obs1_mem_limit=integer value (KB)
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value 1,000,000

    RTSのメモリサイズ(KB)の閾値を設定します。

  • obs1_init_wait
    項目 説明
    Syntax obs1_init_wait=integer value (Sec)
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value 20

    OBSDはRTSが起動すると同時にRTSの監視はスタートしません。なぜならばRTSが起動段階で、実行する内部実手続きによって、 とても短い時間CPU使用率(%)が高い場合が存在するためです。 したがってOBSDは、該当パラメータ設定値以降からRTSを監視します。

  • obs1_status_file
    項目 説明
    Syntax obs1_status_file=rts.status
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value rts.status (only)

    rts.statusファイルの内容を通じてRTSの異常終了の有無を確認します。

    • 正常実行 : status=RUNNING
    • 正常終了 : status=TERMINATED

    status=RUNNINGでRTSがdown状態の場合、異常終了と判断し、OBSDはRTSを再起動します。

  • obs1_activity_time
    項目 説明
    Syntax obs1_activity_time=integer value (Sec)
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value 300

    該当パラメータ設定時間の間rts.actファイルに対する更新がない場合、RTS hangと見なします。

  • obs1_activity_file
    項目 説明
    Syntax obs1_activity_file=rts.act
    登録区分 インストール時、自動登録
    Default value rts_act (only)

    RTS hangの有無をチェックするために使われるfile名です。

  • OBS2_* パラメータ

    obs2_ で始まるパラメータは、SNDFを監視するために使用し、動作方式は、obs1_ で始まるパラメータと同一です。obs2_ で始めるパラメータのデフォルト値は次のとおりです。

    パラメータ名 デフォルト値
    obs2 1
    obs2_cmd rtsctl start {config_name} SNDF
    obs2_keyword mxg_sndf
    obs2_keyword2 {config_name}
    obs2_cpu_limit 80
    obs2_mem_limit 600000
    obs2_init_wait 20
    obs2_status_file sndf.status
    obs2_activity_time 300
    obs2_activity_file sndf.act
  • use_tmpfs
    項目 説明
    Syntax use_tmpfs=1
    登録区分 自動登録
    Default value 1
    Option range 1 : tmpfsを使う場合
    0 : tmpfsを使わない場合
    tmpfs使用の有無確認手法 ipcs -mb (またはm)実行結果、oracle shared memory segmentがとても小さく(例、4KB)
    /dev/shmディレクトリにora_{INSTANCE_NAME}_{number}_{seq#}ファイルが多数存在する場合はtmpfsを使用します。

    ※/dev/shmディレクトリのtmpfsファイルを自動検出して、use_tmpfsの値を自動設定します。

  • oracle_group
    項目 説明
    Syntax oracle_group=group name
    登録区分 手動登録
    Default value None
    $ipcs -mb(またはm)
    T ID KEY MODE OWNER GROUP SEGSZ
    Shared Memory :
    m 1048579 0xcf309934 --rw-r----- oracle oinstall 176164864
    m 4 0x7800002f --rw-r----- oracle oinstall 16777216
    上のような場合、oracle_group=oinstallに設定します。

    $ipcs -mb (またはm)実行結果、shared memory segmentが2個以上でgroup名がdbaでないケースの場合、該当group名を登録します。

2.7.2. rts.confファイル

RTS動作方式設定のためのパラメータファイルです。

  • db_id
    項目 説明
    Syntax db_id=integer
    登録区分 自動登録
    Default value None

    Configuration画面でinstance登録時、自動登録される。

  • daemon_port
    項目 説明
    Syntax daemon_port=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 5080

    RTSが使うポートを登録します。

  • wr_host
    項目 説明
    Syntax wr_host=ip address
    登録区分 手動登録
    Default value None

    DGとの通信のために、DGが存在するサーバのIPを登録します。

  • wr_port
    項目 説明
    Syntax wr_port=port#
    登録区分 自動登録
    Default value 7001

    DGとの通信のために、DGが使うポートを登録します。

  • stat_interval
    項目 説明
    Syntax stat_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 1

    RTSがsystem levelのstat,eventおよびOS statを収集する間隔を設定します。

  • send_sysstat_interval
    項目 説明
    Syntax send_sysstat_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 1

    収集したsystem levelのstat,eventおよびOS stat情報をDGに送信する間隔を設定します。

  • session_list_interval
    項目 説明
    Syntax session_list_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 1

    RTSがsession情報を収集する間隔を設定します。

  • send_session_list_interval
    項目 説明
    Syntax send_session_list_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 1

    収集したsession情報をDGに送信する間隔を設定します。

  • send_lock_info_interval
    項目 説明
    Syntax send_lock_info_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 1

    lock tree関連情報を収集してDGに送信する間隔を設定します。

  • top_process_interval
    項目 説明
    Syntax top_process_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 1

    Top processをDGに送信する間隔を設定します。 Top processの基準はCPU Top-20個、Memory Top-20個です。

    注釈

    Top processは最小20個、最大40個です。 CPU Top-20とMemory Top-20が同じ場合には20個、すべて違えば40個を送信します。

  • xview_limit
    項目 説明
    Syntax xview_limit=integer (Millisecond)
    登録区分 自動登録
    Default value 1000 (1秒)
    Option value range 0 : Off、個別SQL応答時間データを収集しない。
    >0 : On、設定された時間(Millisecond)以上実行された個別SQLデータを収集します。

    RTMおよびPAのSQL Elapsed Time画面で使われる個別SQL応答時間(“dot”)データを収集する基準を設定します。 デフォルト値は1秒です。 すなわち、1秒以上実行されるすべての個別SQL応答時間(“dot”)データを収集します。

  • send_xview_interval
    項目 説明
    Syntax send_xview_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 1
    Option value range 1または3

    RTMおよびPAのSQL Elapsed Time画面で使われる個別SQL応答時間(“dot”)データを通信する間隔を設定します。 通信間隔は1秒または、3秒に設定します。

  • sqllog_gathering_count
    項目 説明
    Syntax sqllog_gathering_count=integer (count)
    登録区分 自動登録
    Default value 20
    Option value range 1~100

    ActiveセッションのSQL実行情報を秒当たりpolloingする回数を設定します。 最大秒当たり100回まで設定が可能です。

2.7.3. XVIEW_LIMITとSQLLOG_GATHERING_COUNTの理解

xview_limitを通じて収集するSQL情報とsqllog_gathering_countを通じて収集するSQL情報に対する違いは、次のとおりです。
項目内容 XVIEW_LIMIT SQLLOG_GATHERING_COUNT
収集および保存内容 個別SQL応答時間情報 SQL別実行統計情報
SQLID
応答時間
Instance名
Schema名
Program名
Module名
SQLID
応答時間/待ち時間/CPU Time
Instance名
Schema名
Program名
Module名
SQL Stat情報(logical reads,physical reads,executionなど)
Wait Event別待ち時間
情報を利用するウィンドウ RTMのSQL Elapsed Time Frame PA内のSQL性能統計を使う多くの画面で活用
PAのElapsed Time Analysis Menu のElapsed Time Scatter Chart
収集例(デフォルト値である場合) 同じSQLが3回実行されてそれぞれ実行時間が0.1秒1秒、10秒ならば、1秒、10秒2件の情報が収集および保存される。 3度の実行に対する平均値が保存される。 例えば全体応答時間は(0.1+1+10)=11.1秒、平均応答時間は(11.1/3)=3.7秒で保存される。
  • listener_check_interval
    項目 説明
    Syntax listener_check_interval=integer (Minute)
    登録区分 自動登録
    Default value 10

    LISTENERプロセスに対するalive check間隔を設定します。

  • listener
    項目 説明
    Syntax listener=IPアドレス:ポートNO
    登録区分 手動登録
    Default value None
    使用例 MaxGaugeサーバ側からアクセスされるIPアドレスとポート番号を設定します

    監視対象のリスナーを設定します。

  • Listener_check_opt
    項目 説明
    Syntax Listener_check_opt=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 1
    使用例 0:全てのリスナーをチェックする
    1:1つのデフォルトリスナーをチェックする
  • disconn_send_filesize
    項目 説明
    Syntax disconn_send_filesize=integer (Byte)
    登録区分 自動登録
    Default value 5,120,000

    Data Gather障害時に、RTSが性能データを保存するtemp fileの大きさ(単位)を設定します。 RTSは5MB(デフォルト値)単位のtempファイルに性能データを保存します。 該当tempファイルに対する削除はSNDFが実行します。

  • remote_rts
    項目 説明
    Syntax remote_rts=ip address : port,ip address : port…
    登録区分 手動登録
    Default value None
    使用例 RAC 3 node環境での他の2 nodeのIPが192.168.123.11,192.168.123.12でRTSポートが全5080の場合、次のように設定します。
    remote_rts=192.168.123.11 : 5080, 192.168.123.12 : 5080

    RAC環境でglobal lock treeデータ収集および保存のために設定します。

  • rt_txninactive_include
    項目 説明
    Syntax rt_txninactive_include =integer
    登録区分 自動登録
    Default value 0
    Option value range 0      : ACTIVE状態のセッションのみPlatform.JSに送信します。
    1      1 : ACTIVEセッションとINACTIVE状態のセッションをPlatform.JSに送信します。
  • dg_txninactive_include
    項目 説明
    Syntax dg_txninactive_include=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 0
    Option value range 0 : ACTIVE状態のセッションのみ、DGに送信します。
    1 : ACTIVEセッションとINACTIVE状態のセッションをDGに送信します。
  • dg_background_include
    項目 説明
    Syntax dg_background_include=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 0
    Option value range 0 : バックグラウンドアクティブセッション情報をリポジトリに保存しない
    1 : バックグラウンドアクティブセッション情報をリポジトリに保存する
  • storage_full_size
    項目 説明
    Syntax storage_full_size=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 100
    Option value range 指定されたLogディレクトリで、圧縮されたLogファイルサイズが設定値よりも大きい場合、最も古い日から削除する[単位:MB]
  • storage_duration
    項目 説明
    Syntax storage_duration=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 2
    Option value range ファイル削除オプションで最大保管期間を設定する[単位:日]
  • storage_check_interval
    項目 説明
    Syntax storage_check_interval=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 10
    Option value range 指定されたLogフォルダ管理のためにLog経路をチェックする周期を設定する[単位:sec]
  • log_path
    項目 説明
    Syntax log_path=
    登録区分 自動登録
    Default value
    Option value range RTSとDataGather間の通信が切れた時、データ欠損防止のために瞬時にファイルを保存するディレクトリを指定する
  • error_log_path
    項目 説明
    Syntax error_log_path=
    登録区分 自動登録
    Default value
    Option value range RTSの起動中に、プログラム上で発生するログを書き込むLogファイル経路を指定する
  • script_process
    項目 説明
    Syntax script_process=integer
    登録区分 自動登録
    Default value 0
    Option value range 0(無効)
    1(有効)

    診断ビュー機能を使用する際に、このパラメータを有効にする必要があり、有効にすると監視対象DBサーバでプロセスが1つ追加されます。

2.7.4. sndf.confファイル

SNDF動作方式設定のためのパラメータファイルです。

  • sndf_interval
    項目 説明
    Syntax sndf_interval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 3

    通信ソースファイルが$MXG_HOME/log/{config_name}/SNDディレクトリに存在するかどうかをチェックする間隔を設定します。

  • sndf_sizelimit
    項目 説明
    Syntax sndf_sizelimit=integer (MB)
    登録区分 自動登録
    Default value 1024

    $MXG_HOME/log/{config_name}/SNDディレクトリのQuatoを設定します。

  • sndf_checksizeinterval
    項目 説明
    Syntax sndf_checksizeinterval=integer (Sec)
    登録区分 自動登録
    Default value 10

    $MXG_HOME/log/{config_name}/SNDディレクトリに割り当てられたquato(sndf_sizelimit設定値)をチェックする間隔を設定します。